【こんな症例も治りますシリーズ 789】 『 心臓病の高齢猫の顔面腫瘍 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫ちゃんの顔面腫瘍の手術前から抜糸後までのお顔シリーズです。

■ 綺麗になって、可愛いですね。

 

 

 

『 高齢猫の頬部腫瘤 』も検査+手術で治します。 「なかなか治らない“ほっぺの傷”、実は腫瘍でした」

 

 

 

猫 スコティッシュフォールド 11歳 オス(去勢手術済)

 

 

【 ほっぺの所に傷が出来た 】という主訴で来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 飼い主様のお話では、『 ごはん皿に ぶつけてしまったのかも… 』とのことでした。

 

 

■ ただ、高齢の猫ちゃんでは皮膚の傷のように見えて、実は腫瘍だったというケースも珍しくありません。

 

 

■ そのため今回はまず傷の治療を行いながら、

『 もし治りが悪ければ早めに詳しく調べましょう 』とお話をして積極的に経過を追うことにしました。

 

 

 

 

◆◆ 2週間後の再診

 

 

■ 『 やっぱり傷が治らない 』とのことで再び来院されました。 診ると、小さなしこりができており、硬さも増していました。

 

 

■ 細い針で細胞を採取して顕微鏡で確認したところ、一部に腫瘍を疑う細胞が見つかりました。

 

 

 

 

◆◆ 手術の準備

 

 

■ しこりを確定診断するために、切除生検(しこりを取って詳しく調べる手術)を行うことになりました。

 

 

■ しかしこの子には、肥大型心筋症という心臓病がありました。

 

 

■ 麻酔のリスクが高まるため、手術前には

・ 心エコー検査

・ 胸部レントゲン

・ 心電図検査

・ 血液検査

を実施し、心臓の状態をしっかり評価しました。

 

 

■ 安全に手術できるよう、麻酔方法も個別に調整して臨みました。

 

 

 

 

◆◆ 手術と結果

 

 

■ 手術は無事に終了。

 

 

■ 切除したしこりを病理組織検査に出したところ、悪性腫瘍であることがわかりました。

 

 

■ ただし、早期発見・早期手術ができたおかげで、

腫瘍は周囲組織を含めて、病理組織学的にも完全に取り切ることができました!

 

 

 

 

◆◆ その後の経過

 

 

■ 現在は、再発や転移がないかを確認するため、

定期的に身体検査とレントゲン検査などを行っています。

 

 

■ 今のところ新たな腫瘍は見られず、穏やかに生活できています

 

 

 

 

◆◆ まとめ

 

 

■ 今回のように、『 傷ができた 』、『 なかなか治らない 』という症状の中に、

実は腫瘍が隠れているケースがあります。

 

■ 特に高齢の猫ちゃんでは、

皮膚の赤みやかさぶた、しこりなどが続く場合は、どうぞ早めにご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

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